アドレナリン、エピネフリン、レセルピン

  • 「アドレナリン」と「エピネフリン」と「レセルピン」は、全て同じ物質の事です。別名です。

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ちなみに、「ノルアドレナリン」は似ていますが、別の物質です。

時代や状況により、別の名前が使用されてきました。

現在は、「アドレナリン」に統一されつつあります。

しかし、未だに添付文書に「レセルピン」という言葉が使用されていることは問題と思われます。

 

・心停止患者に使用する理由:血圧が低い場合、「とにかく一時的にでも血圧をあげる」際に使用されます。アナフィラキシーの場合も同様です。

・交感神経刺激、つまり全身の血管が収縮することにより、一時的に血圧が上がります。

・ただしこの時、あらかじめ「アドレナリン作用を阻止するような薬剤」を服用中の場合などには、その効果が短く、何度投与してもすぐ血圧が下がってしまうような場合があります。

このような場合には、全く作用の異なるもの、「グルカゴン」を使用する方法があります(適応外ですが)。

  • 一方、
    「βブロッカー」、「αブロッカー」、「併用注意:レセルピン」などは、全て「アドレナリン作用」に関する言葉なので、当然、アドレナリン使用時に影響する可能性があります。

・βブロッカー、αブロッカーは、両方とも「アドレナリン拮抗作用」という意味です。つまり、アドレナリンの作用を阻止する薬剤です。

・薬品名をエピネフリンからアドレナリンに変更したのは良いですが、添付文書中の併用注意の項の「レセルピン」をアドレナリンに変更しないのは、混乱の元としか思えません。

医療者は当然、この件について知識を持って対応すべきでしょうが、もはや多くの医療者が、対応できない状況に陥っているように見えます。

つまり、ある患者が例えば、降圧剤としてβブロッカーを服用しており、偶然、何かのアレルギー反応でアナフィラキシーの状態になった場合、アドレナリンを使用しても、短時間で効果が消失し、すぐに血圧が低下してしまうという状況です。

アドレナリンの他に、抗ヒスタミン剤、ステロイド、グルカゴンなどを併用する方法が必要でしょう。

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